2016年5月31日火曜日

2種類のヨガ、カルマヨガとニャーナヨガ

今の日本で行われているヨガのクラスのほとんどが、ポーズをとるハタヨガのクラスだと思います。
実際、私自身も銀座のヨガブッディでもグロウでもアップフォーヨガでもアーサナのクラスしか経験したことがありません。
でも、インドのアシュラムでの練習はアーサナと同じくらいの時間を哲学の勉強に当てるというスケジュールでした。

なぜ哲学の学びが必要かというと、哲学を学ぶということは今まで知らなかった、または気がつかなかった新しい知識を学ぶということだからです。

暗闇を照らすには明かりが必要で、暗闇にいる私たちを照らしてくれる明かりがニャーナ(知識)です。
幸せになりたい、自分について知りたいと思ってやみくもに瞑想をしたとしても、瞑想は技術に過ぎないのでどんなに瞑想しても知らないことを知るということにはならないです。

例えば、コンピュータの前でコンピュータについて詳しくなりたいと思って瞑想しても、コンピュータの知識が身に付かないのと同じで、私たちは自分を目の前に瞑想しても自分についての知識が身に付いているということはないのです。

コンピュータについて知りたいと思ったら、まずは基礎的な用語や概念を誰かから学ばなくてはいけません。自分自身について知りたいと思ったら、自分とは何か、人間とは何かということを知識として学ばなくては始まりません。

ヴァガバッドギータの中でアルジュナは、「ニャーナヨガだけをすれば苦しみから逃れられてジーバムクタになれるのか」とクリシュナに質問します。
クリシュナは「まずはカルマヨガをしなさい」と答えます。

ニャーナヨガとカルマヨガとは何でしょう。
サンスクリット語で知識のヨガ(哲学)をニャーナヨガといい、その他の行為をともなうヨガをカルマヨガと言います。
カルマヨガというと分かりにくいですが、あらゆるヨガがカルマヨガに含まれます。
•ハタヨガ
•バクティヨガ
•アシュタンガヨガ
•ナーダヨガ
•瞑想

クリシュナの「まずはカルマヨガをしなさい」という返事は、カルマヨガで心を鎮めて知識を受け入れる準備をしなさいという意味になります。


今の日本はどんどん新しいヨガスタジオができてヨガが身近なものになってきていると感じます。
リラックスヨガでも汗をかくようなヴィンヤサのクラスでも、またはマントラのクラスでもそれぞれがそれぞれにあった行為のヨガ(カルマヨガ)を見つけて静かな心を作る。選択肢が増えるのは素晴らしいことだと思います。

そしてそれぞれのアーサナなどのカルマヨガの練習が積み重なった先には、将来的に知識のヨガを必要とする人がこれから増えてくるのかなと思っています。







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