2016年8月10日水曜日

ヨギーのための太白ごま油一本でできる五感ケアのレジュメ

アーユルヴェーダワークショップの時にお配りしたレジュメをアップさせていただきます。1回目と2回目の内容が少し違っていて2回目のものをアップさせていただきます。



ヨギーのための太白ごま油1本でできる五感ケア

【アーユルヴェーダの起源】
聖者アートレイヤーがインドラ神(雷神、帝釈天)から学び受け継いだ知識がアーユルヴェーダです。インドラ神はアシュヴィン双神(インドの医学の神)から学び、アシュヴィン双神はダクシャプラジャーパティ(創造主ブラフマンの息子)から学びました。プラジャーパティは父である創造主のブラフマンから学びましたので、アーユルヴェーダは創造主がこの世にもたらした知識と言うことができます。

【アーユルヴェーダの言葉の意味】
アーユルヴェーダとはサンスクリット語でアーユス(生命)とヴェーダ(真理、正しい知識)が結びついた言葉です。命とは何かの正しい知識と訳すことができます。英語だとScience and art of livingと訳されます。

【具体的にアーユルヴェーダには文献があります】
実際に文献が存在します。病気の予防と治療に役立つ知識が書かれています。
主な聖典は以下でヴェーダの一部です。
チャラカ・サンヒター(主に内科、哲学的文章も)
スシュルタ・サンヒター(主に外科)
アシュターンガフリダヤ(上記2つの概略)

【体質チェック】
アーユルヴェーダの治療や療養はオーダーメイドで行われます。現代医学のDNA治療のようなものです。
人間の体質を大きく3つ(詳しくは7つ)に分けます。
あなたはどのタイプですか?また今日のこのグループはどんな方が集まっていますか?
•想像力が豊かな企画家?→ヴァータ
•情熱的なリーダー気質?→ピッタ
•献身的にグループを支える総務タイプ?→カパ

【体質によって気をつけることが違う】
あなたの体質はどのタイプでしたか?何か病気を経験したことがありますか?
それぞれの役割(ダルマ)を全うするためのエネルギーと健康な身体を作るのがアーユルヴェーダの目的です。
(悟りに向かう道はヨガが伝え、アーユルヴェーダができることはその悟るための健康な身体を作ること。仏陀もパンチャカルマの浄化法を行ったと言われています)

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【トリドーシャと5元素(パンチャマハブータ)】
ヴァータ、ピッタ、カパの3つの体質は5つの元素を3つに分けたもの。
プルシャ(純粋意識、Being)とプラクリティ(根本原質、Nature)が結びつきそこから世界が展開します。

空間(Akasa):空間の要素、あらゆる物質の動きとその変化を包み込む空間
風(Vayu):運動する要素、動く性質を表し、方向や速度、加速度などを表す
火(Tejas):変化する要素、明るい性質、変化させる性質、熱い性質の精妙な形
水(Jala):融和する要素、形を変え流動する性質、ものとものを親和させる性質
地(Prthvi):安定する要素、固まった性質、ものとものを結合する性質
※ヴァータ←空間+風、ピッタ←火+水、カパ←水+土

【この宇宙になにもなかった時には何があったのか?】
ニュートンという雑誌には、宇宙は137億年前に、まったく何もない「無」から誕生し、そして一秒もたたない内に宇宙のすべての材料が出そろったと書かれています。
純粋意識(プルシャ)に依存して、根本原質(プラクリティ)は存在することができます。プルシャはプラクリティの影響を受けて表現を始めます。その表現が5つの元素です。

神様は情報でありその情報と物質が結びついた生命が人間であり動物であり食物であり物なのです。すべての情報がつまった統一場がプルシャ、重力、電磁気力、強い力、弱い力が5元素に対応しています。

【現代物理学とインド古代のヴェーダ哲学】(おまけ)
アーユルヴェーダでは宇宙の構成要素としてご元素を挙げていますが、量子物理学における素粒子のスピンの容態の違いがこれら5元素に対応するという説があります(今のところ仮説です)。

5元素-------------スピン--理論物理学概念--------------------------------存在形態
空間(Akasa)------2--------Gravity(重力)------------------------------------space-time(空間と時間)
風(Vayu)----------2/3-----gravitino(引力に引かれる)--------------------gaseous(ガスの)
火(Tejas)----------1--------orce fields(電磁気の)------------------------plasma(自由に動く荷電粒子)
水(Jala)------------1/2-----quarks and leptons(素粒子の構成要素)--liquid(液状)
地(Prthvi)----------0-------Higgs Field(ヒッグス場)----------------------solid(固形)

また、同じ理論物理学では相対性理論(theory of relativity)と量子力学(quantum mechanics)を統合する理論として超弦理論(superstring theory)が唱えられるようになってきました。
十次元の紐の種々の波動モードが自然界の万物を造るという理論です。波動と聞くと、ヨギーの私たちはオームの音を思い浮かべますね!ヨガの考え方もオームという音なき音(波動)から万物が展開していくと考えます。
量子力学の「自然界における四つの力の統合された統一場」とヴェーダの純粋意識が対応すると言われています。

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【太白ごま油を使ったセルフアビヤンガ】
•足の裏、頭、耳のセフルアビヤンガ(触覚•空の元素•Vata)
•耳(聴覚•風の元素•Vata)にオイルを入れ1分。乾燥と冷えを防ぐ
•鼻(嗅覚•土の元素•Kapha)にオイルを8滴ずつたらし喉から出しうがいをする
•口(味覚•水の元素•Kapha)にオイルを含み涙がでるまで10分ほど待つ
•目(視覚•火の元素•Pitta)をローズウォーターでパック
※ごま油のいいところ
ごま油は植物油の中でも最も安定性の高い油です。ごま油中に含まれるリグナンと呼ばれる抗酸化物質のためです。ごま油には茶色い焙煎ごま油となま絞りの太白ごま油(商品名)があります。色も香りもない太白ごま油は生のごま種子を圧縮搾油した後、活性白陶土を通してセサモリン(抗酸化作用がない)をセサミノール(抗酸化作用が強い)に変えたものです。セサミノールは肝臓庇護作用や抗うつ作用などがあるといわれています。

※抗酸化物質とは?
人体内では酸素が利用される仮定で活性酸素という反応性に富む物質がつくられます。ストレスや激しい運動、添加物、喫煙やアルコールによってできると言われています。活性酸素は増えすぎると細胞膜やDNAを傷つけ、癌などの病気や老化を起こすことになると言われています。その活性酸素を消去する物質を抗酸化物質と言います。食物に含まれる抗酸化物質としてはビタミンC、E、βカロチン、タンニン、リグナン、クルクミンなど。クルクミンはターメリックの黄色の成分でポリフェノールの一種です。

※オイルの使い分け
ごま油 Vata↓Pitta↑Kapha=
アーモンド油 Vata↓Pitta↑Kapha↑
オリーブ油 Vata↓Pitta↓Kapha↑
ココナッツ油 Vata↓Pitta↓Kapha↑ ※室温で液状の時に使える
ひまし油 Vata↓Pitta↑Kapha↓

※アビヤンガの禁忌
食事直後の満腹時は控える
皮膚の弱い人やアトピー性皮膚炎の方は油の選択に気をつけないと発疹が出ることがある
発熱初期や消化不良時など未消化物が蓄積している時に行うと病気が難治性になる
生理期間中に行うとVataをあげる

【オイルを使ったアビヤンガと五感ケアはいかがでしたか?】
私たち人間は生まれてから死ぬまで常に動き続けています。ですから、例えPitta Kaphaの人であってもVataが上がりやすいです。ですので乾燥と冷えの対策になるごま油でのマッサージはどのような方にも有益です。ただKaphaで肥満に悩む方にはガルシャナという乾布マッサージが有効です。

【西洋医学の限界】
最先端の現代物理学とアーユルヴェーダの想像論は矛盾しません。
ピアノを分解しても音楽の美しさはわからない。どこか不調が合った場合、その箇所だけでなく多角的に身体を観察すると本当の原因に行く着くでしょう。
そして、自分という存在を宇宙全体の一部分を構成している存在として理解することで、自分を唯一無二の存在として大切にすることができるのではないでしょうか。
•愛とは何か?
•色つやとは何か?

【今回参考にした本】
『大いなる生命学』青山圭秀著(三五館)
『インドの生命科学アーユルヴェーダ』上馬場和夫、西川眞智子著(農文協)
『なぜ人は病気になるのか』上馬場和夫著(出帆新社)
『Newton 宇宙誕生の1秒間』(株式会社ニュートンプレス)













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